子供の自己管理(阪大);タメになる英文&和文

(1)子供の自己管理(大阪大学);タメになる英文&和文;知性を磨こう!


子供は,行動の仕方を知らずにこの世に生まれてくるので,指針と規則を必要とするが,これは,年齢が上で賢明さにおいてまさり,公平で断固たる首尾一貫した行動がとれる人によって,最初は外から課されるものである。しかし,子供が成熟するにつれて,規則を決定する過程に参加することを子供に許し,規則が重要である理由を示してやらなければならない。


 子供は,大人が子供に規則を課すのが、子供自身のためなのか、あるいは単に,大人が支配する立場にとどまりたかったり,主導権争いをしていたりするからにすぎないのかを感じとることができる。子供には,公平に振舞う途方もなく大きな能力が備わっており、意思決定過程への参加を許されるときには進んで協力するものである。


 私たち大人は,「大人が一番よく分かっている」と端的に思い込み,「私がそう言ったんだからそうしなさい」と言って子供にこのことを伝える。こうした態度では,子供の協力は引き出せない。それどころか,子供を怒らせて,公然と反抗させたり刃向かわせたりするほどになる。しかしながら,規則を設定するにあたって,子供に助けを求めるならば,子供が伝達と妥協の技術を実践するのを助けるばかりか,こうした規則が維持されるよう気を配る真の動機を与えてやったことになるのである。結局、そうした規則は子供の規則である。というのも,子供はそれを作るのを手助けしたからであり,それが機能するようにとり計らうことに関わっているからである。


 外から課せられた規則への必要性は,当然,徐々に薄れていく。子供は自分で規則を設定できるようになるだろう。というのも,子供には,規則の背後にある様々な理由が理解できているからであり,自分で課した規則に従っていくことができるだけの自制心を発達させているからである。これこそ,私たちが子供にしてやる目標である。すなわち,子供が外的な管理から内的な管理へ移行するのを手助けしてやることである。


 私たちの忙しい家庭では,誰かが家を空けるときはいつも,居場所を書いたメモを残しておくという取り決めがあった。うちの一番下の息子はいつもこれを忘れた。ある日,私は言った。「マーク。これだけははっきりさせておかなくちゃならない。おまえの居場所を知っておく必要があるんだ。おまえが忘れないようにするのにお父さんはどんな手助けができるかな」(「どうすべきか,お父さんが言ってやろう」とか,「代わりにお父さんが言ってやろう」ではなく,「どんな手助けができるかな」である。)


マークは言った「ぼくを叩くということでしょ、いいよ。ぜったい言いつけたりしないから。」私は言った。「いや,そういうことじゃない。ごめん,ごめん。他にどんなことができるかな」マークは言った。「うん,30日間,外出しないっていうこと」「30日間!1ヶ月もかかるのかい?」「いや,たぶん1日だよ」。「よろしい」と私は言った。「こんなのはどうだい.明日は外出しない,というのは。たぶん,忘れないようにするのに役立つだろう」


 外出しないことはマークにとっては苦痛だった。マークは友達と外に行きたかったのだ。次の日の午後,マークは索引カ−ドを手に入れ,そこに,「ジェフのところ(電話番号‥)にいます」,「マットのところ(電話番号…)に行きます」,「野原で野球をしています」などと書いた。マークはファイリング・システムを作りあげた。


その後,適切なカ−ドを選び出し,カウンターの上に置いた。マークはこうしたカードを,長年の間、使った。マ−クは彼白身の問題を解決する独創的な方法を思いついたのだ。子供に機会を与えてやりさえすれば,子供は大人よりもはるかに創意に富んでいることがあるのである。






(2)KAWASAKI MEDICAL COLLEGE=川崎医科大学岡山県;私大)

「ダグ(Doug)は20代後半だった。生まれながらの運動選手で,スポーツ好きの家庭に育ち,高校と大学でフットボールをやり,それから故郷に戻って母校の高校でフット簿ールのコーチ助手をつとめていた。

 コーチの仕事を2年と少しの間勤めたとき,首のリンパ腺が大きくなり,それはリンパ腫と診断された。彼は,6カ月にわたる化学療法治療によく耐え,仕事を休んだり,遅刻することはめったになかった。しかし,ガンが再発し,今度は身体の各部に転移していた。治療の試みは失敗だった。自分で身の回りのことができないので,タグは両親のところに戻った。彼は,地元のホスピス活動の手にゆだねられた。私たちは,彼の症状をなんとか押えることができた。彼は,とても弱っていたが,かなり気分はよく,数カ月は暮らせるかのような様子だった。


 ダグの3人の兄弟姉妹は,同じ地域に暮らしており,定期的にお見舞いに来た。彼の面倒はたいてい両親がみたが,一番下の妹のジェーンもガンだと診断されたとき、状況は緊迫した。彼女の治療の見込みは良好だったが,家族は,ダグが気を動転させないように彼には妹の病気を知らせないことにした。


 ある土曜の晩に,タグの父親は,ホスピスに電話した。「様子が少しおかしいんです」と父親は伝えた。死にゆく人々と一緒に働く私たちのような人々は,そのような言葉を聞いたとき,よく注意を払うことを身につけている。ときには,患者や家族は何かがおかしいと察していても,それを正確に述べることができない。そのような電話に応対するとき,かすかではあるが重大な変化があることがよくある。ときには,実際,当人が死ぬ間際であることもある。



 今回は私が赴いて,ダグと話をし,検査をしたが,何の変化も見つからなかった。ダグも両親も,何が「違う」のかは言えなかった ただ何かが違っているとしか言えなかったのだ。とにかく,私は,医師に電話をした。先生は,ダグと話をし,自分がダグの家に行くか,それとも,病院でダグを診察しようかと言った。あるいは,私たちが待機して,進展があるかどうかを見守ることも可能だった。タグは,最後の選択肢を選んだ。彼と両親は,心地よくベッドヘと眠りに行き,必要ならば私を呼ぶことができると承知していた。ダグは眠りたがっていた。両親はタグにおやすみと言い,私に紅茶を一杯出してくれた。私たちは台所で座っていた。私は,ダグがいつ兄弟姉妹と会うのか尋ねた。


 母親が言った。「子どもたちは,明日の午後にやってきて,夕食を食べ,私たちと一緒にフットポールの試合を見ます。うちの家族は,フットボールの熱狂的なファンなの。今日,ダグがしていたことを見て下さいな」


 タグの母親は,私に1枚の紙切れを渡した。そこには,タグがフットボールの試合のフォーメーション(formation=布陣(ふじん))を書いていた。丸印と矢印は,2チームと各選手が進む方向を示していた。


 一方のチームには,選手を表す6つの丸印に彼と両親と兄弟姉妹のイニシャルがついていた。ジューンのイニシャルがついた丸印からは,1本の矢印がサイドラインの近くまでのびていたが,競技区域の外に出てはいなかった。ダグのイニシャルがついた丸印は,サイドラインを越えて競技区域の外まで矢印がのびていた。その脇に走り書きがしてあった。「日曜日の昼までには試合終了」


 私はそのフォーメーションを注意深くみた。「少し奇妙に聞こえるかもしれませんが,ここには私たちが注意を払った方がよいことがあるかもしれません。明日の正午前に何か重大なことがひょっとして起こるかもしれないと彼は言っているようです」と私は言った。
「『何か重大なこと』とはどういう意味ですか」と母親が尋ねた。私は答えた。「よくわかりませんが,それは彼の状態の変化,あるいは死をも意味しているかもしれません」


 はじめは疑っていたが,ダグの両親は心配になってきた。「フォーメーションの説明をしてくれるようにダグに頼んだらどうでしょうか。彼はたぶん、私より上手に説明してくれるでしょう」と私は言った。


 母親は答えた。「起こしたくありません。タグがもうじき亡くなることはわかっています。それがそういう意味なら、心構えはできています。もし何か変化があれば、いつでもまたあなたをお呼びできますから。明日は他の子供たちと連絡をとって、早くここへ来るように頼みます」


 午前中、ダグはいつもより静かだったが、それ以外の点は良好だった。みんなが到着した。家族一人一人がダグと時間を過ごした。ちょうど正午前、ダグはベッドに横になって母親と話をしていた。突然、彼は落ち着きがなくなり、心地よくないと言って起き上がって座り、枕の位置を直してくれるよう頼んだ。呼吸が苦しそうだった。それから、ダグはまた横になり、目を閉じ、そして亡くなった。


「なんて安らかな顔つきでしょう」と、私が死亡確認のためにやってきたとき、母親が言った。「ダグは、こういうことになるとわかっていたのでしょうか」


 タグは、直接にはガンの結果亡くなったのではない。急激な変化が気になったので、医者は死体解剖の許可を頼み、タグの肺に彼に死をもたらした血の塊があったことを見つけた。それは、タグが予想しようにも予想できなかった状態である。「おそらく、人は死が近づけば、誰よりも自分がそれを理解するのでしょう。ダグがフットボールのフォーメーションを使って私達に教えてくれたことがとてもうれしい」と父親は語った。






TA追記)本日、2006年度第3回英検1次試験終了!
明日は「自己採点」!




TA追追記)明日は「自治医大」入試!
「時間との勝負」+「95%正解率への挑戦」





TA追追追記) 「猫英語=catenglish=メデミル」アクセス

2007年1月28日(日)23:30 現在 49万5225!

→ http://homepage2.nifty.com/catenglish/




TA追追追追記)

竹岡塾HP 25万8551!

This may be reasonable!